ネパール大地震経過情報 ■15歳少年、120時間ぶり救出は奇跡的 ■犠牲者8千人超える ■AMDA の緊急救援活動 ■日本の医療チームが山間部で手術開始 ■全半壊の建物、50万戸近くに
【カトマンズ=丸山修、石崎伸生】ネパール中部で発生した大地震は30日、発生から6日目を迎え、死者数はインドなど近隣国を含めて5900人を超えた。
この日は倒壊した建物の下敷きになっていたネパール人の少年、ペムバ・ラマ君(15)が約120時間ぶりに救出された。
警察当局によると、ペムバ君は30日早朝、首都カトマンズ近郊で、がれきの下で身動きがとれなくなっているところをネパールの救助隊に発見された。救出作業は米国の救助隊が支援し、約5時間続いた。ネパールの救助隊の責任者は「少年は食べ物も水もとれていなかった。生きていたのは奇跡だ」と話した。
ネパール警察当局は8日、大地震による国内の死者数が7902人になったと明らかにした。インドや中国など近隣国と合わせ、死者は8千人を超えた。被災状況の把握が遅れている山村地域を中心に、死者数はさらに増えるとみられる。
AMDA-MINDSはカブレパランチョウク郡(以下カブレ郡)において、現地NGO(SAGUN)と協力して農村開発事業を実施しています。しかしながら、今回の地震により大きく被災し、5月3日付のネパール政府発表によると、死者311人、負傷者934人の犠牲者が出ています。
住居の全壊数は首都カトマンズより多く、約30,000戸(カトマンズは約28,000戸)に達しています。カブレ郡では、住居の約5割が全壊、それを含め全体で9割以上の世帯に被害が出ており、頻繁に起こる余震から屋外での寝泊りを強いられています。例年雨季の始まりは6月からですが、すでに雨が降り出しています。住民の中には(ごく一部の世帯)手持ちのビニールシートを利用している人もいますが、風雨に耐え得るものではありません。また、十分な数も確保ができていないため、限定的にテントを配布しました。
ネパール 日本の医療チームが態勢強化 手術開始
ネパールで起きた大地震で、現地で活動を続ける日本の国際緊急援助隊の医療チームは5日から骨折をした
人の手術を始め、大けがをした被災者を受け入れる態勢を強化しています。
先月25日にネパール中部で発生したマグニチュード7.8の大地震では周辺国と合わせて、これまでに
7500人以上の死亡が確認されました。また、ネパールでは36万棟を超える建物に被害が出ていて、
大勢の人たちが屋外で避難生活を続けています。
このうち、被害が最も大きかった中部シンドゥパルチョク郡のバラビセでは、日本の国際緊急援助隊の
医療チームが今月1日から仮設の診療所を設けて医療活動を行っています。バラビセでは町の
90%以上の建物が被害を受け、唯一の病院が壊れて手術ができない状態が続いていました。
このため、医療チームは日本から持ち込んだテントや、全身麻酔をかける機器をカトマンズから取り寄せ、
5日から、けがをした人の手術を始めました。
ネパール内務省は6日、大地震の影響で全半壊した建物が50万戸近くに上ることを明らかにした。テントや防水シートの配給が追いつかず、さらに救援物資が必要だとしている。
内務省の集計によると、全壊は約26万6千戸、半壊は約22万7千戸。山間部では被害状況の把握が遅れているため、損壊建物はさらに多いとみられる。
ネパールで発生した地震は多くの犠牲者を出し、当局や住民による懸命の救出作業が続いた。
広い範囲で揺れを感じ、被害の全容は詳しく分かっていない。
首都カトマンズは揺れに弱い歴史的建造物も多く、
被害の拡大につながった可能性もある。
国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界遺産に指定されているカトマンズのダルバール広場の古い建築物は、数百年前に建てられた、れんが造りの揺れに弱い建物が多く、大きな被害を受けたとみられる。
地震直後に産経新聞の電話取材に応じたカトマンズ在住の邦人外交官によれば、
震度5程度の揺れを感じた。電話の間にも「今、余震が起きている」と話した。
報道によれば、ネパールではマグニチュード(M)6・6を含む複数回の余震が発生している。
インターネットやテレビは不通の状態で、情報収集は困難な状況にあるという。
ネパールのラジオ局で司会者として働く男性はフェイスブックを通じての取材に対し、
「揺れは1分以上続いた。目の前で3階建ての古い建物が倒壊し、市民はパニック状態に陥っている。
携帯電話はまったく通じない」と応じた。震源地近くに住む男性はAP通信の電話取材に 「村はほぼ全滅だ。村人の半数は死亡したか行方不明だ」と述べた。
ネパール中部を震源とする大地震で、ネパール政府は26日、甚大な被害が出た自国やインド、バングラデシュ、中国など周辺国を含む死者数が1805人に達したと明らかにした。けが人は4700人以上に上るという。都市部から隔絶されている農村地域の被害は、地震に伴う土砂災害や通信事情の悪さなどが原因で全容が把握できていない。死傷者数はさらに増えそうだ。
米地質調査所(USGS)によると、ネパールではマグニチュード(M)4以上の余震が断続的に発生。現地からの報道では、首都カトマンズでは市民が屋外で毛布をかぶり、度重なる揺れの中で不安な夜を過ごす光景が見られた。
AFP通信によると、ネパール内務省報道官は被災者支援の緊急基金に5億ドル(約595億円)を拠出すると発表。各国・機関からの支援申し出も相次ぎ、軍用機や救援活動に当たる兵士約280人を急派したインドのほか、日本も国際緊急援助隊・救助チームを派遣、欧州連合(EU)も人道支援のための要員と資金を送ると表明した。
外務省は25日、ネパールで大規模な地震が発生したことを受け、山田滝雄南部アジア部長をトップとする連絡室を設置した。関係機関と連携しながら、現地情勢の把握や邦人の安全確保に当たる。現地大使館にも緊急対策本部を設けた。(2015/04/26-01:15)