2015年1月18日日曜日

中国 環境汚染を半世紀以上隠ぺいか 広西チワン族自治区の亜鉛鉱山周辺

中国、カドミウム汚染半世紀隠す イタイイタイ病似た症状も

今後長期間にわたり環境汚染対策と保証について課題が続きそうだ。

中国広西チワン族自治区の亜鉛鉱山周辺の農村地帯で、カドミウム汚染が半世紀以上、当局に隠蔽されてきた疑いがあることが18日、住民の証言や裁判資料で分かった。稲の生育不良や地元住民の骨の軟化など、富山県・神通川流域でのイタイイタイ病の発生時と似た状況が起きているが、本格的な疫学調査などは行われず事実上放置されたままとなっている。
 この農村はベトナムとの国境に近い同自治区大新県の三合村。昨年12月、複数の住民が共同通信の取材に、約800人の村人の約8割に背骨の痛みなどの体調不良があると明らかにした。
2015/01/18 17:57 【共同通信】

中国:湖南省にカドミウム汚染米、環境NGOグリーンピースが警告

【中国】湖南省中南部の衡陽市で農作物、土壌の重金属汚染が深刻化している実態が報告された。
 衡陽市衡東工業園の周辺農村で2013年7~9月にかけて調査。検出されたカドミウム、鉛の含有量が国の定めた安全基準を超えていたことが判明した。最大で基準値の21倍に達していたという。国際環境NGOグリーンピースがこのほど警告した。
 同工業園の半径2.5キロ以内で米、土壌のサンプルを収集。第三者機関に成分解析を依頼した。米に関しては、サンプル13件のうち、12件がカドミウム過多と分析された。鉛の濃度も比較的に高い。なかでも炉舗村で生産されたサンプル3件については、国が定めた安全基準を13~21倍上回る汚染濃度だった。炉舗村は同工業園の風下500メートル以内に位置する。工場が発する煤煙が降下し、農地の土壌を汚染した可能性が高いと指摘した。
 中国政府の規定するカドミウムの安全基準上限は、米1キログラム当たりで0.2ミリグラム。土壌サンプル32件からも、そろって基準値を超えるカドミウムが検出された。サンプルの過半が安全基準を3倍以上超えていたという。
 湖南省でカドミウム汚染米の存在が報告されるのは初めてではない。13年には、衡東工業園の付近で収穫された米が重金属に汚染されているとメディアによって報じられた。



中国国民の間で高まる環境問題への関心 社会不安の主たる要因に



米スミス大学中国史および環境問題担当教授のDaniel K. Gardnerが、9月15日付インターナショナル・ニューヨーク・タイムズ紙掲載の論説で、中国の環境は最悪であるが、その結果、国民の間に環境問題への自覚が高まり、政府がより積極的な対策を取るようになった、と述べています。
 すなわち、1969年米国オハイオ州のエリー湖に流入するクヤホガ川で火災が起こった。油にまみれ、ガスの泡が噴出している川が、自然に発火し、米国中に衝撃を与えた。クヤホガ川の火災は警鐘となり、1970年代初期までに米国で環境問題が強く自覚されるようになった。
 30年にわたる工業化の結果、水、空気、土地が汚染された今の中国は、1960年代後半の米国と似ている。中国人は、工業化によって環境への代価が高くつきすぎたと感じ始めている。
 PEW研究センターの世論調査では、2008年には「大気汚染は極めて大きな問題」と答えたのは31%であったが、2013年には47%がそう答えた。石炭火力発電、化学工場、石油精錬所、ごみ焼却炉などの建設に反対する運動が広まり、公害は、いまや中国の社会不安の主たる原因になっている。