病院の建物への空爆は何度も繰り返された。
治安部隊はイスラム原理主義勢力タリバンに一時、クンドゥズの制圧を許した。
とされていて単なる誤爆とは言えないので、今後この誤爆問題は拡大しそうだ。
アフガン病院空爆 米大統領「徹底調査開始」 NHK
アフガニスタン北部で、国際的なNGO「国境なき医師団」の病院がアメリカ軍による空爆を受け、多数の死傷者が出たことについて、オバマ大統領は3日、声明を発表し、徹底した調査を行って真相の究明を急ぐ考えを強調しました。
アフガニスタン北部にある国際的なNGO「国境なき医師団」の病院に対するアメリカ軍の空爆で、このNGOによりますと、これまでにスタッフや患者合わせて19人が死亡し、37人がけがをしたということです。
これについて、アメリカのオバマ大統領は3日、声明を発表し、「悲劇的な出来事だ」として、犠牲者に哀悼の意を表しました。
ただ、その一方で、「国防総省が徹底した調査を開始した」として、調査結果が出ていない現時点では誤爆かどうかには触れず、結果を待って判断する考えを示しました。そして、「国防総省に調査について随時報告するよう指示した。事実関係が十分解明されることを期待している」として、真相の究明を急ぐ考えを強調しました。
アフガニスタンでは、これまでもアメリカ軍を中心とする国際部隊の空爆に巻き込まれて、多くの民間人が犠牲になっており、今後、アメリカ軍への反発が一層強まることが予想されます。
国境なき医師団 「忌まわしい行為」と非難
「国境なき医師団」が3日発表した声明によりますと、空爆は3日の午前2時8分から午前3時15分までの1時間余りにわたって、およそ15分間隔で行われたということです。
また、「国境なき医師団」のアフガニスタン北部の責任者は、「病院の建物への空爆は何度も繰り返された。私が建物の外に出たときには、すでに病院の主要な建物は炎に包まれていた。動くことができた患者は逃げたが、ベッドで寝たきりの患者はどうしようもなかった」と当時の状況を振り返っています。
そのうえで「国境なき医師団」は、「今回の事態は単なる『巻き添え』として済まされるものではない。国際人道法の重大な違反で、忌まわしい行為だ」と強く非難しています。
アフガンの病院空爆、死者19人に Nineteen dead, dozens missing in air strike on Kunduz hospital
アフガンの「国境なき医師団」“誤爆”で治安部隊の能力不足露呈 産経
【ニューデリー=岩田智雄】アフガニスタン北部クンドゥズで、国際医療支援団体「国境なき医師団」(MSF)が活動していた施設が米軍に誤爆された可能性がある事件で、MSFは4日までに死者が19人、負傷者が37人に上ったと明らかにした。事件は撤収計画を進める米軍と、治安維持能力の不足が指摘されるアフガン治安部隊の課題を改めて浮き彫りにした。
MSFは、「すべての指標が、空爆は(米軍主導の)国際部隊によって行われたことを示している」と非難し、クンドゥズからの撤収を決めた。アフガン大統領府は3日、駐留米軍司令官がガニ大統領に謝罪したと発表したが、その後、謝罪ではなく「弔意の表明」だったと訂正した。
アフガンでは昨年末、米軍主導の北大西洋条約機構(NATO)が戦闘任務を終えた。今年からアフガン治安部隊への「確固たる支援」任務に移行したが、治安部隊はイスラム原理主義勢力タリバンに一時、クンドゥズの制圧を許した。